王剣
月の一族と太陽の一族の王家、実際に王位に就いた王が稀に体得する魔法。
体内の魔力を一振りの剣の形(剣の形は様々で、剣と呼称しているだけで弓の王剣も過去には存在している)にし、対象に向かって放つ魔力構成武器マギア・アルマの究極型と云える。
だが、体内の魔力を凝縮させるなど高度な魔力操作技術が必須。しかも、強大かつ爆発力のある魔力を体内に持っていなければ話にならない。
条件が厳しいこともあり、王の中でも王剣体得に至った者は極僅かである。
冥界の存在に有効。
使い手次第では吸血鬼のブラッディブレイドを超えることすらある。
因みに体への負荷が凄まじいため、本来は身体への負担を軽減させる月の石か太陽の石と共に使うのが正しい。
エルトレスはseason2でもその時の負荷を引きずっている。
太陽の一族では太陽皇帝ミトラスと仮面の皇帝が体得していた。
ロザリアは使えるがブラッディブレイドだけで十分辛いので使えない。
ヒナ(アヴァテア)
本編中に名前は明かされなかった人。
千年戦争を終戦に持っていくために命を燃やした月の王。
月の国が滅ぶ時の王。ある意味、彼女もまた『最後の王』である。
滅ぶ月の王城と運命を共にし、歴代の王達の肖像画に囲まれ崩落に巻き込まれた。
実は王位に就くのは初めてでは無い人物でロザリアと似たような立場だった。
千年戦争
南大陸最大の戦争。文字通り千年続いた戦争。
現在、千年戦争の終戦から相当な年月が経っている。しかし、終結には至っていない。
月の国は敗戦後滅んだ。月の国を滅ぼした太陽帝国は現在、国力を完全に回復したが大きな代償と、終戦後に嘘を重ねることとなる。
千年もの続く戦争の責任は敗戦国である月の一族に負わせ、それを歪曲し世界的に月の一族は悪者にし迫害させる世にした。
千年戦争は太陽皇帝ミトラスが退位した直後に開戦したことから一部ではミトラス皇帝が健在していれば千年戦争は起こらなかったといわれている。
四十四話でエルトレスが「太陽帝国は千年戦争終戦後にエーデルシュタイン保護条約から抜けている」という言葉通り、太陽帝国はエーデルシュタイン保護条約筆頭の月の国を滅ぼした後にエーデルシュタインを狩っている。
シルヴィ
四十四話でロザリアが口にしていた人名。
現時点では詳細は不明。
イシュテルナ
四十二話でエルトレスの記憶の中で出てきた人物。
エルトレス(アステルナ)が王だった時代、打ち出した政策で孤立していたアステルナの理解者(ただ、あまり一緒にはいられなかった)。
容姿はキリヤに瓜二つ。
アステルナとイシュテルナのは男女のそれに近い感情をお互いに抱いていたが結ばれなかった。
既にイシュテルナは故人と思われる(エルトレスはそう思ってる)。
アステルナは『普通の少女(エルトレス)としてイシュテルナと結ばれたかった』と願っていたが、それは叶わなかった。エルトレスの能天気でお気楽な性格はそこから来ており、王位に就いたことで抑制しなければならなかったアステルナ(エルトレス)の素の部分。
仮面の皇帝
アステルナの対の太陽帝国の皇帝。
王剣を体得していた太陽皇帝。常に仮面で顔を隠し、素顔を見せることは無かった。
何者かに襲われ、刺客を道連れに高質量のエネルギー破に身を投げた。
アステルナを支持ていた人物で、エーデルシュタインの人権と彼らの保護を世界に訴えたアステルナに賛同した人物である。
現在はアステルナ王と同じく正史なのか創作なのか解らない伝説で語られている故人。
ロザリアの口調
たまに出てくるロザリオ口調。
余裕がないときや相手を牽制する時など、ロザリオ口調になりやすい。
実は結構気にしており、女性のときは女性らしい口調にするよう気を遣っている。
千年戦争の只中は、常時ロザリオの姿で千年戦争の終戦後に千年ぶりにロザリアになったらしい。
実際のところ、ロザリアは人生の半分以上をロザリオの姿で生活している。
愚王か英雄か
アステルナ王の過去の評価と今の評価。
過去、エーデルシュタインが国を左右する時代もあった。搾取される為に産まれた彼らに人権と保護を世界に訴えたアステルナ陛下はエーデルシュタインにとっては英雄だった。だが、エーデルシュタインに慕われるアステルナ王が彼らを独占しようとしている各国は非難し、各国から非難されやがては戦争になると危惧した月の一族の王家家臣達はアステルナの暗殺を企む。
愚王と呼ばれ、自国も敵だらけのアステルナは己の信念と政策を貫き後世でその功績を認められる。
後に本人は語る「アステルナ陛下は愚王」だと…。
月の一族の恋愛事情
総じて鈍い。
四十話タキが「ロザリアのあれ、絶対血筋だよなあ」とか言ってたが、タキもかなり鈍感である。
ストイックな一族なので、露出の多いヴィオラも実は鈍感でストイック。
月の国健在時代、新生児誕生率は世界ワースト。王家は特に世継ぎ問題が日常茶飯事だった(生まれなくて)。
因みに『月光花(ムーンライト・フルール)』は求愛、求婚する相手に贈るもので南大陸では有名だった。
月光花は香りが良いので現代でも人気。
奇妙な関係
(エルトレス)→キリヤ→イシュ→ソウマ→ロザリアの図。
綺麗だろうが中性的だろうが関係なく同性は眼中に無いイシュがソウマに興味を持ったことでキリヤがソウマを睨む。
何が起きた。
エーデルシュタイン保護条約
希少種族エーデルシュタインの保護と支援、彼らの人命を守る条約。
エーデルシュタインは核である心臓は他生物同様に取られれば命を落とす。だが、心臓と瞳は高い価値がある。心臓と瞳には純度の高い宝石が形成され、エーデルシュタインの力次第では莫大な魔力がある。
更に彼らは容姿端麗で生まれる為、愛玩奴隷としても人気がある。
闇競売で競りにかけられれば金持ちがこぞって落札を競い合う。
エーデルシュタイン保護条約加盟国での闇競売とエーデルシュタインの奴隷、心臓、瞳の売買は違法である。
だが、エーデルシュタインは年々減少傾向にあるため、相当大きな競売か国の裏取引での売買となっている。
こういった闇競売と裏取引を潰しているのがとある学園とヴィルシーナ学園である。
冥界の存在
冥界に存在する者。冥界は死者の逝く場所とされているが、詳細は不明である。
そして、冥界の存在は別世界では『神』とも云われるものである。オルビスウェルトには『神』という不確かな存在は言語ともに存在していない。
故に、『神』とは表現されないが、冥界の存在は『神』と云ってもいい桁外れな力がある。
それに届く王剣とロザリアのブラッディブレイドは恐ろしい武器でもあるということだ。
冥界
不干渉な死者の空間。如何なる者の干渉を拒むとされる。
かつてヴェルヴェリア博士は冥界の研究を行っていた。その研究の成果もあってマツ博士はヴェルヴェリアの論文から短期間で冥界の存在を呼び出せた。
マツ博士に関しては冥界から連れ戻したかった娘は冥界にいなく、マツ博士の傍にいたのだが。
マツ博士の『娘に応えられる選択』
世界と融合に使われたエルフの少女を守るため、父親の罪を止めるために二人のフリージアは禁断の聖女と深く融合した。
月の一族の三人の王によって禁断の聖女は消滅し、フリージアの想いが暫く現世に残る。消滅がすぐに始まったフリージアの涙と想い、レオの治療もあってマツ博士は異空間干渉と家族を失った狂気から正気に戻った。
正気に戻ったマツ博士は家族に先に逝かれた孤独を二人のフリージアに癒され、フリージアの選択を考え。せめて、彼女達の想いに応えられる父親でいられるように娘達に誇れる選択をした。
それが、進化した魔界の欠片達とその研究データ、それを産み出した本人を爆発によって壊すことである。
いつか、未来で再びあの笑顔に出逢うために
ルナの実力
ロザリアですらブラッディブレイドの体得に相当な期間を要していた(ロザリアの場合、破壊力が破壊力なだけあって開花に時間がかかったのだろうが…)ブラッディブレイドを短期間で女性化していれば完全に扱えるようになっている。
その技量は高いのだが、本人は気づいていない、理解してない。
ロザリオ(ロザリア)は王位に就かなかった王
第二十五話で触れられたかつてのロザリアの過去。
千年戦争の始まりと終わりを生き抜き、戦い抜いた。その手で幾つもの命を奪ってきたが本当は戦争など望んでいなかった。
恋人ミトラスが守っていた太陽帝国の人々をその手にかけ、血に染まってきた当時のロザリオの胸のうちは決して癒えない傷となって今も残っている。
王位に就かなかったが政治、軍事に関しては当時、月の国でも高い発言力があった。軍事に関しては自身も隊を率いていた事もある。
能力も王位に就いておかしくなかった人物なのにロザリアは王位に就くこともその証たる月の石も使わずにいた。
何故、ミトラスの対は王にならなかったのかは二部で明かされる。
王家の巫女
月の一族の王家に仕える巫女一族。
タキの父親が巫女の中の筆頭だった事もある。タキは父親の跡目を継がず、王では無いロザリアに仕え続けた。
そしてタキはロザリアに預言を託した。
タキの父親の代で一族の内々は荒れてる。それがタキが巫女になれなかった理由でもある。
ナイ(ルナ)の過去
「何で、…ママを助けてくれなかったの?お腹の子も、助けてよ…!」
第三十九話で幼いナイの叫び。あの時のナイは誰に助けを求め、誰に絶望したのか?
徐々に取り戻す記憶の中であの時の父親の姿だけが抜け落ちてしまっている。
そして、まだ聞かされていないがナイの父親は生存している可能性もあるのだ。
果たしてナイは記憶を取り戻した時に今のままでいられるのだろうか…
エルヴァンス家の家庭内
かなりゴタゴタしている家庭内事情。
当主シエルには二人の妻がいる。政略結婚したシェリアピアスと幼馴染みで互いに初恋のヒスイ。
現在の社会では複数妻がいることは咎められない。オルビスウェルトは様々な種族と風習によって重婚はOKだ。ただ、そこから愛憎渦巻くトラブルが発展するのは自己責任。
エルヴァンス家の当主シエルは本心を言うと最初からヒスイだけを妻に迎えたかったのだが、エルヴァンス家での発言力と当主の椅子に座る為にシェリアピアスと結婚した。
後に長男チェインがシェリアピアスとの間に産まれ、次男ソーレが数年後に産まれる。子供が出来にくいブラッディロード同士だが、シェリアピアスとシエルは二児をもうける。
その後、シエルはヒスイを妻に迎えた。ヒスイの腹に子供が宿っており、シェリアピアスにも子供が宿っていた。
シェリアピアスは正妻としての権力フル活用でヒスイを排除しようとしていたが、シエルに阻まれている。そして、ヒスイへの嫉妬と憎しみで荒れ狂い取り乱す様をチェインは間近で見ており、チェインは母親に対して嫌悪感を抱くようになった。
暫くした後に二人の妻は子供を出産。
前々から不審に思っていたシエルはシェリアピアスの三人目の子の血液を鑑定し、自分の子供では無いことを知る。
だが、自分がヒスイを迎えたことでシェリアピアスを傷つけたのに罪悪感があり、
ロイとの血縁関係に関しては黙っている。
シエルの息子達
チェイン 長男。幼い頃からヒスイに嫉妬と憎しみで暴れる母親を見てきて、延々と母親の父親に対する悪口を聞かされてきた。しかも、母親の過度な干渉を受け、交友関係も制限されていた。
思春期と反抗期でプッツンして家を出ていった事もある。今はシエルのフォローもあって家に戻ってきてはいるがヴィルシーナ学園の教師の仕事に没頭している。
弟達(ロイは除いて)の世話と面倒をよく見るいい兄貴。女性とのつきあい方や遊び方などいらんとこまで教える。
ソーレ 次男。物静かでクールな美青年。苦労人で母親シェリアピアスとロイが使用人に対して行う非道な行為の後始末をしている。
元ヴィルシーナ学園のトップアタッカーで最上位クラス。
学園を卒業し、父親の手伝いをしている。
兄が次期跡継ぎを放棄したので、次期跡継ぎである。
キリヤ 三男。アーシェルの双子の兄。
母親はヒスイ。兄二人とは腹違いになる。至高のエーデルシュタインで幼い頃から不特定多数に狙われていた。
外からもだが、それまで真面目だった使用人達すら変えてしまう魔性の魅力を持っている。キリヤを連れ去ろうとするものばかりで頭を悩まさせたシエルはエルトレスを試しにキリヤの世話につかせたところ、エルトレスはそれまでの者達と違う純粋な好意をキリヤに向けたため、シエルはエルトレスを大層気に入った。
だが、キリヤはエルトレスに対して冷たかったが…。
アーシェル 四男。キリヤの双子の弟。キリヤとそっくりだが、キリヤよりは男らしい顔つきをしており、女子生徒からも人気高い。
一通り、女性と付き合った事があり、色町で遊んだ経験があるくせに初な反応をする。
超ブラコン(キリヤ限定)。キリヤを守るためなら、と度々暴走する。
ロイ 五男。シェリアピアスの子。シエルの血は引いていない。
女装出来そうな外見の美少年。性格はかなり歪んでおり、キリヤの大切なものをよく壊すのでキリヤとの仲が悪い。
階級の差を利用してエルトレスに肉体関係を迫ったが平手打ちされている。
まだ、記憶を取り戻したエルトレスと再会していないが再会した時…
エルトレスの記憶
第一部最終話、本人によるとエルヴァンス家でメイドやっている時に過去の記憶を思い出しているらしい。きっかけは同じ血族やキリヤが危険な時など。もしかしたら、ロザリア(ロザリオ)が度々エルトレスの記憶を封印していた可能性もある。
とある人物はエルトレスのことを「まるで自分を呪っているようだ」と言う。
実際、かなりナーバスになっており、大切な者達を守り通したその先に関しては生きるつもりがない。
ハルエリス
遠くない未来の、ある国の王様
ウィル
故人?
詳細は不明。
ヴェルヴェリアの論文
ヴェルヴェリアがサイレンスロードを通してロザリア達に依頼した自身の汚点。
他所に保管されていたが何者かに盗み出され、最後の所持者はマツ博士だった。論文の内容は魔界の欠片と魔力の素質が高い種族の無垢なる少女を利用し、冥界より禁断(黙示録)の聖女の召喚方法である。
現世に強い憎しみと想いを持った女性達の魂の融合体である聖女はロザリア、アステルナ、ルナの力で消滅。
ヴェルヴェリアの論文に書かれた聖女は果てのない流れた時代よりのもので再び、論文が効果を発揮するには気が遠くなるほどの時代を経ての未来である。
だが、論文はマツ博士が責任を持って消し去っているのでロザリア達は無事に任務を完遂した事になる。
因みに聖杯とは無垢なる少女の肉体で、血は融合資格を得た魔界の欠片を指す。聖女召喚に必要な生け贄の条件は女性であること。
禁断(黙示録)の聖女
呼び名は様々なものがある。過去に出現しており、封印(冥界に還す)のみしか行えず完全消滅出来たのが今回初である。
ロザリア、アステルナ、ルナの三人が彼女達を解放し輪廻(正常なる冥界の環)に還した事は相当な快挙なのだが、ロザリア側は西大陸の救済をヴィルシーナ側に譲ったため、表向きの評価は全てヴィルシーナ側へと向く。
禁断の聖女は異世界で評価するなら破壊の神である。
最果ての地について
本格的に本編で触れられるのはロザリスが登場してからになる。
アステルナ(エルトレス)のモテ話
月の一族の国が健在の頃、王家に幾つか表に出ていないアステルナの逸話があった。そのなかにアステルナのモテモテな話も語り継がれていた。
エーデルシュタインの人権を確立させたことで質の高いエーデルシュタインの愛人候補がいたり、社交場では(逃亡することもあったが)きちんと女性をエスコートしたり。狂気的なまでの戦闘力と情深い人当たりで男性すら魅了していた。
『抱いて!』と老若男女問わずモテまくっていたが月の一族特有の疎さと生来から色事に興味が薄い気質故に浮いた話は浮かんでは来なかった。
唯一、どこからか拾ってきた超美人な楽士を愛人にして周囲を驚かせたが、後に楽士を保護するためだとバレる。
本人の性格がああでなければハーレム生活でウハウハな人生が送れた模様。
オルビスウェルトの魔法
体内の魔力を媒介に自然現象を人為的に起こさせるものと体内の魔力を対象に向かって放つものである。基本、後者の理論である。
『自然現象』『世界にある物体』への信仰心から体内の魔力に関連付け使用する者達(自己暗示)もいる。月の一族と太陽の一族はそれが起因では無いかと思われる。
オルビスウェルトには『神』という概念は無い。だが、実在した人物を信仰する者達がいるが、それは長寿生命体に証言されたもので実在したか定かでないものは信仰の対象にはならない。
様々な種族、魔法、そういった存在がいるオルビスウェルトだからこそいきついた、『不確かな存在に頼らない』世界観といえる。
各話サブタイトル
作者の頭を悩まさせていたもの。